Opus ZERO

No Beginning No End.

『レインボー・リール東京2019』

『レインボー・リール東京2019』

rainbowreeltokyo.com

レインボーリールは、セクシャル・マイノリティをテーマとした映画祭で、今年で28回目の開催になり、7/5~7/6と7/12~7/15の2つの期間に分かれて、10本以上の作品が東京ウィメンズプラザとスパイラルホールで上映された。

所属している会社がスポンサードしていることもあり、2年前からこの映画祭に足を運んでいる。去年までは社内で配賦されるチケットが貰えていたが、今年は希望者多数による抽選となりあえなく落選、自費での鑑賞に。外資系の割にかなり保守的なカルチャーの会社なので、こういったイベントに関心を持つ人が増えてきたことは、基本的に良いことだと捉えている。

今年観たのは、『QUEER×APAC 2019 ~アジア・太平洋短編集~』と『クィア・ジャパン』の2作。
短編集の方は、オーストラリア、インド、台湾、そしてインドネシアに韓国の5本からなる短編群で、どれも映像や音楽などのクオリティは申し分ない水準だった。

特にインドネシアと韓国の作品は、明確なテーマと余計なものをそぎ落とした秀逸な脚本、そして映画的な映像の組み合わせという、長編にリメイクするに足るポテンシャルを感じさせる良作だった。

 

帰り道

帰り道

 


もう一作は、最終日の最終回に観た『クィア・ジャパン』。
アメリカ人監督のグレアム・コルビーンズによる、世界的にも多様かつ特殊と言われている日本のLGBT+Qカルチャーを描いたドキュメンタリー作品だ。LGBT+Q当事者への100本を超えるインタビューから成り立っており、差し込まれる映像の強烈さと、語られる言葉から発せられる知性と生命力に圧倒されっぱなしの101分だった。

www.queerjapanmovie.com


知る人ぞ知るらしい『デパートメントH』という東日本最大の変態パーティの個性とクオリティや、NHKでドラマ化された漫画『弟の夫』の原作者が本業として描くハードなゲイ漫画の描写など、目が眩むような情報が次から次へと繰り出される。

そこに描かれるジェンダーセクシャリティは本当に多種多様で、まるで別世界の出来事のようにも思えるが、新宿にも京都にも沖縄にだって彼ら/彼女らは確かに存在し、はるか昔からも存在していたのだ。

登場する皆が何らかのマイノリティとしての自覚を持ち、理解や共感といった周囲の環境からは遠い人生を経ているからか、とても思索的であり、故に饒舌に自己のアイデンティティを語り尽くす。

クィア・ジャパン

クィア・ジャパン


「混ぜようとしないで、そのまま共生させるのが多様性だよ」というようなニュアンスのことを誰かが言っていたのが耳に残り続けている。

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